写真撮影に目覚めた主人公“ミト”がどの方向に進むのか。現実世界と同じで、そうそう方向性が決まるわけもなく、いろいろと模索していることが伝わってきます。新キャラが分かりやすく尖がった役割を持っているため、既存のキャラと被ることなく話が膨らんでいます。
主人公のカメラ「X-T20」の出番は残念ながら殆どありません。
まずは「スナップ撮影とは」から始まって、ここで登場するカメラもキャラに合わせています。実家がカメラ店を営んでいる“ナギ”はNIKON党ですが、スナップ用途で使っているカメラが超マイナーな「COOLPIX A」というのはNIKON縛りゆえに仕方がないところでしょうか。解説で王道の「GR III」を取り上げている点にバランスの良さを感じます。
スナップ撮影のあとのエピソードが水着ポートレートですが、そこで使われるのがインスタントカメラのチェキです。そして新キャラの“アカネ”登場。
“アカネ”は生徒会長で成績優秀に加えて、結構裕福な家庭のお嬢様ということで、テストの成績が良かったことで「α7C」を親に買ってもらいます。「α7C」を選んだ理由は「自分を綺麗に撮ってもらいたいから、お店に置いてあったカメラの中で一番高いカメラを買ってもらった」という撮ってもらう側の思考。
そして、水着ポートレートの時に良い感じに撮ってくれた“ミト”をカメラマンに指名してスタジオ撮影に向かう。
というエピソード多めの第2巻です。ただ、第1巻に比べて第2巻は、話が全般的に軽すぎるかなと感じました。話を急いで広げなくて既存のキャラを深堀して欲しいかもと思えますが、今回は“ミト”の師匠的な存在“チサト”の人物像を詳しく紹介しているので、他のキャラは次巻以降でしょうか。