2018年10月4日

エクステンションチューブでマクロ撮影

「花をもっと大きく撮りたい」という場合にどうするのか。

もっと望遠側にする → テレコンを使う
拡大鏡を使う → クローズアップフィルタを使う

テレコンには2種類あって、前玉側につける方法は「花をもっと大きく撮りたい」というより「もっと望遠が欲しい」場合に使いますが、画質が劣化するため、あくまでも遊び用途になります。レンズとボディの間に挟む方法は単純に焦点距離を延ばすことになり、「花をもっと大きく撮りたい」も兼ねることができますが、非常に高価なアイテムです。1.4倍テレコンで1段、2倍テレコンで2段暗くなるため、明るいレンズが必要になります。

クローズアップフィルタを使うのが手っ取り早く、コストも掛からないという利点はありますが、画質に影響します。強い光が当たらなければ妥協できる範疇かと思いますが、クローズアップフィルタを二枚掛けすると室内での撮影でも滲みが非常に目立ちます。

「OLYMPUS E-3 + LEICA D SUMMILUX 25mm ( + クローズアップフィルター )で撮った作例を2枚。このように条件さえあえば、そこそこいけます。

「花をもっと大きく撮りたい」には第三の方法があります。

もっと近づく → エクステンションチューブを使う

もともとマクロレンズというものは近くの被写体を撮る用途向けに設計されているため、被写体に近づくことができるレンズです。

ピント合わせのレンズを前に出せば近くにピントを合わすことができるのなら、それをやってしまおうというアイテムがエクステンションチューブです。


Commlite CM-ME-AFMM エクステンションチューブ/接写リング(Olympus&Panasonic マイクロフォーサーズマウントカメラ)(電子接点/マクロ撮影/TTL露出/AF)(10mm,16mm)【日本正規品/メーカー1年保証】

単なる筒ですが、そこそこの価格のものなら電子接点があるためAFが機能します。

使うか使わないか分からない時にマクロレンズを持ち歩くのは無駄です。しかし、軽量セットの「14-32mm」や「17mm」を「E-PL7」で使っているときに「もう少し寄りたい」と思うことがあり、荷物にならない程度のアイテムなら「結局使わなかった」であっても無駄にはなりません。


ピントがシビアになるため三脚を使ってテストしてみますが、なぜか「14-32mm」「17mm」ともに使えません。10mmのエクステンションチューブならいけそうな気がするのですが何故でしょう。これは予定外です。

まずは、どこからピントが合うのか14-150mmでチェックしてみると、約50mmあたりからピントが合うようになります。

テレ端の150mmでテストしてみましたが、E-PL7ではピント合わせが厳しいかもしれません。

基本知識として、「どれだけ大きく写るのか」は「最大撮影倍率」と同義です。エクステンションチューブを使うと「最大撮影倍率」がどのくらい変わるのかの説明は下記のページが参考になります。

よくわかる。エクステンションチューブって何? | Photo Mini

(チューブの長さ÷レンズの焦点距離)+ レンズの最大撮影倍率 = エクステンションチューブ使用時の最大撮影倍率

(10+16)/150≒0.173
(10+16)/50=0.52

「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm」の最大撮影倍率は「0.22倍」ですので、合算で「0.393倍」になるはず。(35mm換算なら「0.786倍」)

テレコンバーターEC-14とEC-20を処分してしまったため、「50mmF2.0マクロ」を「100mmF4.0マクロ」にすることができなくなりましたが、エクステンションチューブをつかえば「むちゃくちゃ寄れるレンズ」にすることができます。

計算上では、「ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro」の最大撮影倍率は「0.52倍」ですので、合算で「1.04倍」になるはず。(35mm判換算 2.08倍相当)


絞りf2では被写界深度が浅すぎるため、f4で撮影しました。


エクステンションチューブの「10mm+16mm」を使うと「何を撮るのか」考えるのが難しくなるようなドアップになります。

オリンパスの「エクステンションチューブ EX-25」の使用可能レンズ一覧
エクステンションチューブ「EX-25」対応表

「花をもっと大きく撮りたい」の3つの方法はそれぞれメリットデメリットがありますが、エクステンションチューブは一番マニアックな方法かもしれません。