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まさにその通りという書籍「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」

株式投資関連本を大量に読んで、実際に自分で悪戦苦労しながらも株ゲームを続けていると、いろいろと気が付くことがあります。

株の売買に関することなら、それはあくまでも自分次第です。ここ数か月間、悶々としているのは、大金を運用してきた元プロとか儲けてきた個人投資家たちの書籍です。

「結局のところ上昇相場で儲けただけでしょ」に尽きます。一部の大儲けした人の背景には、損をした大勢の人がいるのです。1万人くらいチャレンジすれば、優秀な成績を収める人が10人くらいいても不思議ではありません。つまり、その「優秀な成績を収めた人」が本を書いたり、講演活動をしたり、セミナーを開催しているのです。

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか (著)ナシーム・ニコラス・タレブ (訳)望月衛

人はどうして、投資で儲かると自分の実力だと思い込み、損をすると運が悪かったと思うのか?トレーダーとしての20年以上にわたる経験と、数学、行動経済学、脳科学、古典文学、哲学等への深い知識と鋭い洞察をもとに、金融市場や日常生活において偶然や運が果たしている隠れた役割と、人間の思考と感情との知られざる関係を鮮やかに描き出す最高の知的読み物。
目次
雲に浮かんだモスク
第1部 ソロンの戒め―歪み、非対称性、帰納法(そんなに金持ちなら頭が悪いのはどうしてだ?;奇妙な会計方法;歴史を数学的に考える ほか)
第2部 タイプの前に座ったサル―生存バイアスとその他のバイアス(あるいはとなりの億万長者でいっぱいの世界;卵を焼くより売り買いするほうが簡単;敗者総取りの法則―日常の非線形性 ほか)
第3部 耳には蝋を―偶然という病とともに生きる(ギャンブラーのゲンかつぎと箱の中のハト;カルネアデス、ローマへきたる―確率論と懐疑主義;バッカスがアントニウスを見捨てる)
ソロンの言うとおり

読み始めて途中で投げ出して最初から読み直した書籍です。ざっくりと「なるほど納得」が10%くらい、「とにかく退屈」が90%くらいの割合ですので、最後まで読むのは苦行になります。書かれている内容は書籍のタイトル「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」そのものです。それをいろんな角度、いろんな事例、いろんなエピソードで語るわけですが、「要点だけ説明して欲しい」と何度も何度も思えてくるほど、とにかく疲れる内容です。

誰かの受け売りとか有名な投資家たちの書籍のパクリという類ではなく、著者が体験してきたこと、実際に見てきたこと、身近な人たちという具合に、著者が考えていることがひたすら書かれているため、起承転結になっていません。要約して数十ページの書籍にして欲しいです。

「運が良かっただけ」といっても実力者が運をつかんだことには変わりありません。著者が言いたいのは「成功した人たちが『運が良かった』を認めず、自分の実力だけでここまで資産を増やしたと言い切るのはおかしいのではないのか」です。

序盤に面白い解説があります。それは書籍「となりの億万長者」のことです。日本人が書いた類似本もたくさんあります。株式投資で資産を増やした数多くの億万長者たちを調べて、彼らがどのような生活をしてきたのか分析しているものです。

「となりの億万長者」と同じことをしてきた人たちは、その何百倍、何千倍もいるはずで、「となりの億万長者」と何が違ったのか分析されていないため、「となりの億万長者」と同じことをすることが正しいとは言い切れないはずです。この著者の指摘はもっともなことです。同じことをして「億万長者になれた人」「億万長者になれなかった人」の差は何か。それは「運」です。株式投資を始めて運悪く長期間の下落相場になったのか。それとも運良く上昇相場になったのか。「となりの億万長者」を分析するなら、各自がいつ何をどのくらいやってきたのか調べる必要があります。ところが「億万長者になれた人はこんな生活をしてきました。あなたも今からそうしましょう」は正しいのか。「そんな質素な生活は楽しいのか」という著者のとどめの一言は禁句かもしれませんね。

カテゴリ : 書籍など



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ミニベロおやじの写楽です。フォトマスター検定1級。健康マスター。ダイエット検定1級。食生活アドバイザー3級。QC3級。FP3級。色彩検定3級。情報処理技術者試験1種。購入したデジカメは50台、自転車は11台。ブロンプトンで日本一周を達成、ブルベのSR達成。最近はデミオDで遊んでいます。雨の日は映画三昧。アウトドアも始めました。

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