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元祖長期投資のバイブル「敗者のゲーム」

投資関連本を読み漁りすぎると「長期投資=インデックス投資」が洗脳のように自分の中で確定事項になります。勢いで投資関連本を大量にポチポチしたので、まだまだ未読本が山積みです。今回は読む順番を変えて「元祖長期投資のバイブル」に該当しそうな書籍です。

敗者のゲーム[原著第8版]
敗者のゲーム[原著第8版] (著)チャールズ・エリス (訳)鹿毛雄二,鹿毛房子

世界100万部の超ロングセラー。
資産運用の常識を変えた伝説の一冊 !
「市場と投資の本質」を伝える投資哲学の名著として、世界中で読み継がれてきたベストセラーを、最新データに基づき全面リニューアル。
変動するマーケットに一喜一憂する。じっくり考えて決めた投資計画を無視して、高値で買い安値で売ってしまう。そんな経験をしたことがある方は少なくないでしょう。では、市場動向に左右されることなく、大切な資産を守り、実り豊かな人生を実現するには、どうすればいいのでしょうか? 本書ではその現実的な対応を教えます。
著者のエリス氏は、投資の成功は、値上がり株を見つけることでも、ベンチマーク以上の成績を上げることでもなく、「自ら取り得るリスクの限界の範囲内で、長期的な投資計画や資産配分方針を入念に策定し、市場の動向に左右されず、徹底的にその方針を守り抜く」ことだと言います。
そのための方法として詳しく紹介するのが、「インデックス・ファンド」への投資です。本書では、個人投資家が押さえるべき運用基本方針のポイント、成功する投資信託や確定拠出年金の選び方、投資の基本原則などについても広く解説。プロ・アマ問わず投資に関わる全ての人に広く役に立つ内容になっています。

投資の世界も常にアップデートが必要ですので「敗者のゲーム」も2022年1月にアップデートされました。直近の「コロナショック」のことも触れています。

「バンガード・ファンド」の創業者であるボーグル氏の書籍「インデックス投資は勝者のゲーム」に対してバンガードの取締役になったこともあるエリス氏の書籍のタイトルは「敗者のゲーム」です。「敗者のゲームって?」と思えるので、なかなかキャッチなタイトルです。

「インデックス投資=勝者のゲーム」という分かりやすい図式に対して「?=敗者のゲーム」となりますが、謎解きのように少しずつ理解できるような構成になっています。

ざっくりと「あなたがやっていることは敗者のゲームなんですよ」と読み手に自覚させることを目的としているため、既に投資をしている人をターゲットにしています。説明上「短期的な株の売買で儲ける=敗者のゲーム」となりますが、なぜ「敗者」なのか。そこがこの書籍で語っていることです。

以下、重要ポイントだと思えた個所を抜粋。

運用機関の3つの問題
1.ファンドマネージャーの使命を「市場に勝つこと」と誤解している
2.時とともに短期収益思考が強まっている
3.運用アドバイスの重要性を見失っている

ギャラのために戦っているプロは短期間の成績が全てです。ゆえに勝ち続ける人はいない。

アクティブ運用機関の能力
・市場のタイミングの判断
・個別銘柄または特定グループの選択
・ポートフォリオの構成ないし戦略のタイムリーな変更
・優れた長期投資コンセプトもしくは投資哲学の開発、商品化

これらの能力は圧倒的にプロが勝るので、これで勝負することは負けゲームに挑むようなものです。

個別銘柄や業種について、株価とその潜在的価値の関係を分析する競争相手は多く、あらゆる情報は瞬時に広がる。こうした中で、個別銘柄や株式グループから競争相手が見落としたものを見つけ、利用する機会は、あまりない。

「あまりない」ことを探すのが楽しいともいえるので、長期投資とは切り離して少ない額で遊ぶ程度なら良いかと思います。

多くの人がミスをするのは、利益を出そうと決めた額以上に無理に投資をするからだ。特に多額の借金をし、そして残念な結果となる。ほとんど場合、勝とうと頑張り過ぎると高くつく。

せめて「信用取引」をしなければ大損を回避できると思います。借金して投資をする理由が分かりません。

投資の基本原則
1.投資の最大の課題は、株式・債券・不動産などへの長期的な資産配分である。
2.長期的な資産配分の決定に際して考慮すべき点は、将来何にその資金を使うのか、いつ資金が必要になるのか、決めたとおりに守り抜けるのか、という点である。
3.資産を種類ごとに幅広く分散する。暴落は突然起きる。
4.決めたことを一貫して忍耐強く実行する。上昇相場は相場の最悪期に起こる。一喜一憂した時の損失は大きい。「方針をきちんと立て、方針どおりに行動すること」。

投資の大原則は「使う予定の金を投資に回してはダメだ」です。金が必要になったからといって下落時に株を売ってしまうと大きな損失になります。あくまでも「使う予定がない金」「10年後、20年後以降のどこかで使うかもしれない金」です。

人間は常に合理的に行動するわけではなく、また、いつも自分のためになることをするわけでもない。
・「平均への回帰」という社会科学の原則を忘れる
・統計的な確率を無視してしまう
・現実を冷静に見つめるのではなく、自分の当初の判断にこだわり、それを正当化する材料ばかり探してしまう
・都合が悪いことを軽視し、自分に都合のよいように物事を見る
・「専門家」の意見を過信し、尊敬する人の勧めに従う
・印象的な出来事や大きなニュースを重視しすぎる
・自分の技術や俊樹、判断力を課題評価し、失敗を学ばない
・最近の投資信託の成績のような短期的結果を過大評価する
・半ば思い付きで選んだデータを、将来的な判断のためのベンチマークとして使ってしまう
・「よく知っていること」と「よく理解していること」とは違うが、しばし混同する
・新しい情報に過剰反応する

個別銘柄の売買をしていると“あるある”です。

投資の5段階
第1段階 長期の運用目的の決定と、その達成のための望ましい資産配分比率の策定(株式。債券、その他の資産の配分を決める)。
第2段階 株式の配分の決定(成長株対割安株、大型株対小型株、国内株対外国株など、さまざまなタイプの株式を正しく配分する。債券も同様に検討する)
第3段階 アクティブ投資かインデックス投資かの選択(これまで見てきたとおり、コストの低いインデックス投資投資が長期的にはよい)
第4段階 アクティブ運用を選ぶ場合、どの会社のどのファンドにするのか決定する(残念ながら、多くの人はここに多くの時間と手間をかける)。
第5段階 個別銘柄を選び、売買を実行する。

第4段階と第5段階が敗者のゲームの領域です。つまり、利益を得る可能性が低いフェーズに労力を割くのは無駄です。

1960年代、プロのファンドマネージャーが何百もの銘柄を徹底的に調査し、市場の90%を占める素人に勝てると思ったとしても不思議ではない。それは半世紀前の話だ。だが、市場の実態は一変した。この50年間で投信・年金・ヘッジファンドの劇的な増加と、売買頻度の増加により90対10だった個人投資家と機関投資家の比率は、完全に逆転した。今日では、ニューヨーク証券取引所の売買高の90%以上はプロのファンドマネージャー、すなわち機関投資家によるものだ。

ここが「あなたが敗者になる可能性が高い」理由です。「プロ野球選手相手にアマが試合する」よりも「プロゴルファーの大会に大した練習もしたことがない素人が参加する」に近い状態かもしれません。奇跡が起きない限り勝てるわけないのに勝てるかもしれないと挑むようなものです。

あなたが投資するなら、どちらにしますか?
回答A 大幅に値上がりし、何年間も高値圏にある株式
回答B 大幅に値下がりし、何年間も低位にとどまっている株式

ここは1秒の迷いもなく私は「B」です。タイミングを逃して既に高まっている銘柄は買いません。下落して停滞している配当銘柄なら買って配当貰いながら“いつか”くるかもしれない上昇を待ちます。高値で推移している銘柄は配当利回りが悪い割合が多く、“いつか”くる暴落に怯えたくないです。全銘柄が暴落するような事態が起きても低位からの下落より高値からの下落幅は大きいです。

個別銘柄の株ゲームはあくまでもゲーム感覚の範疇で楽しむべきで、株ゲームで大儲けしようとするから大損するわけで、軍資金が減らない程度にちょこちょこ楽しむのが平和です。長期的な資産運用に関しては定期預金代わりのインデックス投資で良いのかもしれません。

カテゴリ : 書籍など



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ミニベロおやじの写楽です。フォトマスター検定1級。健康マスター。ダイエット検定1級。食生活アドバイザー3級。QC3級。FP3級。色彩検定3級。情報処理技術者試験1種。購入したデジカメは50台、自転車は11台。ブロンプトンで日本一周を達成、ブルベのSR達成。最近はデミオDで遊んでいます。雨の日は映画三昧。アウトドアも始めました。

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