2003年5月11日

超望遠で遊ぶ「VARI8000S」

「デジカメで遊ぶ」の番外編です。

E-20を使っていて「もっと望遠側が欲しい」と思うことがしばしばあります。レイノックスのDCR-1850PROを装着させて約260mm、実用的な範囲までのトリミングで約400mmの効果を得ることができますが、トリミングというものはあくまでも撮影後の作業による効果であって撮影時点ではなんら意味を持ちません。

撮影時点で超望遠を楽しむためには、メーカー純正の3倍テレコンを買えば良いわけですが、将来的には無駄なものになってしまう可能性が非常に高い。この「将来」が2~3年後ならば、その間十分に遊べるので買っておいても損はありませんが、半年後(遅くても1年後)にデジ一眼レフを購入することにしている段階で約6万円の出費は非常に損。

やっぱり「FZ1か?」とも思いましたが、超望遠だけのためにFZ1を購入するのも無駄。でも「超望遠で遊びたい」という欲求は日増しに高くなる一方であった。

そんなある日、通販のチラシに格安超望遠レンズが載っていて「デジ一眼レフならこれを買えるのにな」と思った瞬間、「まてよ、15年前に買った一眼レフにもこれって付くのかな」と閃く。

さっそくレンズメーカーやペンタックスのサイトでマウントのことを調べてみると、ペンタックスのKマウントはずっと互換性を保っているため、昔のMFのカメラでも最近のレンズが使えることが判明。ちょっと得した気分である。それならばもうすぐ発売される「*ist D」を買えばとりあえずは手持ちのレンズが使えるのでイニシャルコストを抑えることができる。なんだか急にペンタックスが良いメーカーに思えてきた。

さっそく格安超望遠レンズの情報をネットで検索するが、出てくるのは通販ショップの商品紹介ページばかりである。1つくらいユーザサイトがあっていいものだが、やはり“いかにもバッタもの”という感じがする品物は敬遠されるのであろうか。

格安超望遠レンズには4種類あったが、条件を絞りこんで「あるもの」に決めた。その「あるもの」とは…

VARI8000S VARI8000S
●仕様/セミアポクロマート、非球面2群4枚構成
●焦点距離/420~800mm
●実効F値/6.6~12.8
●露出/マニュアル
●絞り/固定絞り
●フィルター径/62mm
●最短撮影距離/1.6m
●重さ520g
●最大径6.9X最短長22.2mm
●付属品/ソフトケース、Tマウント

「VARI8000S」である。これを選んだ理由としては以下の4点である。
1.フィルター径が62mmだからE-20用に揃えたものが使える
2.焦点距離420mmの時の実効F値が6.6ならば実用範囲である
3.最短撮影距離が1.6mならば“花”の撮影もできる
4.価格が安い(29,800円)


昨日の「スーパー耐久・鈴鹿300マイル」でVARI8000Sの試し撮りをしてみた。


420mmなら手持ちでもOK。スタンド席から向いのパドック上の観客席を撮ってみました。


800mmならこんなシーンも大きく撮れます。ただし周辺光量落ちが酷い。
コースアウトしてレスキュー隊出動。



同じコース位置を420mmと800mmで撮影



超望遠レンズを付けてファインダーを覗くと、その迫力に驚きます。



格安超望遠レンズは「絞り固定」ですので「絞ってシャッター速度を落とす」ということができません。そのような仕様のレンズを使って“流し撮り”をする場合には「NDフィルター」を使ってシャッター速度を落とします。ここで「E-20用のフィルターが使える」というメリットが効いてくるわけで、試しに「ND4」を付けて“流し撮り”をやってみました。


価格が\29,800のレンズの割りには結構まともに撮れます。しかし、最望遠側の800mmにしてファインダーを覗くと、よほど周囲が明るくない限りまともに見えません。ピント合わせにも苦労するほど辛い。よって420~500mmの望遠レンズが\29,800で買えたと思うべきでしょう。

それでは420mmならば実用的なのか?

ということですが、どこまでが実用的なのかは使う側の主観によるところが多いかと思います。

その判断材料として“花”と“犬”を撮ってみましたので掲載しておきます。